| マハレ山塊国立公園 |
「マハレ山塊国立公園の近隣村落における自然教育への援助」
マハレ山塊国立公園のあるタンザニア、キゴマ州ブヒング郡には、もともとマハレに居住していたトングウェの人々が、 タンザニアの集住政策によって暮らしている村落が多い。国立公園はチンパンジーの観光で外貨を稼いでおり、 その一部は地元の人々の教育や医療施設を作ることに使われてはいる。しかしながら、 地元の人々の実感としてはまだまだそうしたインフラ整備は十分ではなく、国立公園や観光業者、 そして研究者たちだけが利益を得ているのではないかといった声もちらほらと聞かれる。 そこで、地域に根ざした保全計画を実行していくために、まず、地域住民が十分に医療や教育を受けられるよう支援をおこなっている。
活動報告(2012年3月22日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学准教授)本年度は、これまでに引き続き、もっともチンパンジー研究と縁のあるカトゥンビでの活動を継続するとともに、 これまではあまり支援の手が届かなかったマハレ山塊南方にあるカリヤにも文具の寄贈をおこなった。 カリヤは、国立公園の南の交通・商業の要所で、国立公園が設立される以前から多くのトングウェの人々が暮らしてきたところである。 湖岸沿いに暮らすトングウェの人々にとっては、カトゥンビの町がマハレ公園の北の拠点なら、カリヤは南の拠点といえる。
カトゥンビ村には日本大使館の援助によって建設された小学校や診療所がある。 その小学校の先生と診療所のドクターから文房具や薬の援助をしてほしいという手紙が届いたため、 2011年8月に座馬耕一郎が、手紙に添えられていたリストを元にキゴマという町で段ボール箱12箱分の薬品や文具を購入し、 村へ運んだ。カトゥンビでは小学校の子どもたちが丘の上にある小学校まで荷物を運搬するのを手伝ってくれた。 これに加えて、2011年12月には、この地方でコレラが流行し始めたため、コレラで脱水症状になった際に必要な点滴用水を カトゥンビの診療所に追加で寄贈した。

カリヤへは、島田将喜がチンパンジー調査の合間を見て2011年9月に訪問した。
小学校への学用品を届けるとともに教育活動を視察することが目的である。カリヤの中心部には隣接して、
二つの異なる小学校(カリヤ小学校とタンブシャ小学校)がある。この二つの小学校の校長先生との面談をし、
私たちGRASP-Japanの活動目的を口頭、および文書でお伝えした。
タンザニアの地方の小学校ではどこでも同じような状況だが、カリヤ小学校では7名の先生が710名の生徒を、
タンブシャ小学校では5名の先生が600名あまりの生徒を相手に教育に当たっているそうだ。
先生一人あたり100名もの生徒を相手にしていることになる。当然、文具や教材なども慢性的に不足している。
今回は、チョーク、ノート、ペン、コピー用紙等を寄贈した。
活動報告(2011年5月2日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学准教授)本年は渡航した日本人研究者に新人が多かったため、あまり大規模な活動をおこなうことはできなかったが、以下の二つについての活動をおこなった。
まず、近隣のカトゥンビ小学校にノートと鉛筆といったごく基本的な教材の寄贈をおこなった。 日本円にすればわずかな額の援助であるが、校長先生から直接礼状をもらうなど、やはり基本的教材への需要は大きいようである。 多くの援助では、特定の年にだけ文具等を寄贈して終わり、ということになるが、 それではそれ以外の学年の子供たちはまた教材がない状況に戻ってしまう。今後も少額でも継続的にこうした援助を継続したい。

第2に、国立公園の依頼によって、州都キゴマにあるビジターセンターに展示するパネル (チンパンジーやマハレの自然を解説したもの)20枚の作成をおこなった。このビジターセンターを訪れるのは、 大部分が外国人観光客であり、こうしたパネルを地元の人々や子供たちが見ることはほとんどないと予想される。 したがって、近隣の小学校・中学校などで展示するため、パネルのデータを持ち運びのしやすい布製ポスターにした。 来年度以降はこのポスターを利用した環境教育活動などもおこなっていくつもりである。
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活動報告(2009年12月16日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学准教授)
マハレ山塊国立公園にもっとも近いカトゥンビ村にあるカトゥンビ小学校は日本大使館の援助によって建てられたが、
その後タンザニア政府の援助はなく、約700人の生徒がいるにもかかわらず、マダワティ(椅子付き机)は30個程度しかない。
このため、生徒たちは教室の床に座って授業を受けている。
このため、昨年はマダワティを100個にすることを目的として、マダワティ66個の製作に着手した。
今回2009年6月11日に再度カトゥンビ村を訪問し、計画どおり、マダワティが完成したとの報告を受けた。
また、校長のジュマ・マクウェパ氏からは、製作にかかった資金などの明細等について書面での報告を受けた。

また、カトゥンビの子どもたちは、チンパンジーが生息している国立公園のすぐ近くに住んでいるにも関わらず、 実際にチンパンジーを見る機会がほとんどない。このため、本年は小型の液晶プロジェクタを持参し、 パソコンと繋いでチンパンジーの映像を子どもたちに見せるという活動をおこなった。映像は、 長年マハレでチンパンジーの映像を撮影し、数多くの番組を制作しているアニカプロダクションの中村美穂氏より、 かつて放送した番組の映像を無償で提供していただいた。番組のナレーションが日本語であるため、 マハレで調査助手をしているラシディ・キトペニ氏に、スワヒリ語での解説をしていただいた。 カトゥンビ村には大きなホールがないため、小さな教室に、百数十人もの生徒が字義通り足の踏み場もないほどに入り、 映像鑑賞会をおこなった。暗幕の代わりに布を張り、スクリーンの代わりに白い紙を張り合わせたものを使うなど、 手作りでの上映会となった。部屋が完全に暗くならず、若干映像が見難かったものの、ほとんど娯楽のない村であることもあって、 珍しい映像に子どもたちは終始興味深そうに見入っていた。最後にキトペニ氏と中村から、40年以上もの長きにわたって、 カトゥンビ村の人々がチンパンジーの調査に協力してきたこと、世界的にチンパンジーの生息地が失われつつあること、 チンパンジーを保護することの大切さなどのメッセージを子どもたちに伝えた。今後も、こうした自然教育活動を地道に続けていき、 地元の学校等で必要とされている最低限のインフラ整備に対して少しずつでも補助をしていきたいと考えている。
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活動報告(2008年12月19日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学准教授)本年は、計画していた内容のうち、マハレ山塊国立公園にもっとも近いカトゥンビ村にあるカトゥンビ小学校にマダワティ (机と椅子がセットになったもの)を整える活動をおこなった。カトゥンビ小学校は、日本大使館の援助によって建てられたが、 その後タンザニア政府の援助はなく、約700人の生徒がいるにもかかわらず、マダワティは30個程度しかない。 このため、生徒たちは教室の床に座って授業を受けている。今回はまず、全マダワティを100個にすることを目的として、 マダワティ66個の作成に着手した。

事前に、カトゥンビ在住であるマハレ山塊チンパンジー研究プロジェクトのラシディ・キトペニ氏 (氏自身の子どもたちもカトゥンビ小学校に通っている)を通じてカトゥンビ小学校にマダワティ66個作成のための 必要経費の見積もりを作成してもらい、2008年9月28日に中村がカトゥンビ小学校を訪れ、現状を視察した後、 キトペニ氏、カトゥンビ小学校運営委員長のモシ・サルム氏、カトゥンビ村長のジュマ・マクウェパ氏の同席のもと、 カトゥンビ小学校校長のジュマ・ラジャブ氏とマダワティ作成に関する合意文書を取り交わした。

本プロジェクトでは、マダワティ作成以外に、ブヒング中学校に理科教育用の機材を寄贈する計画であったが、
中村のタンザニア滞在中に一部の関係者が長期出張中であったため、今年は必要な情報収集をするに留め、
実行は来年以降におこなうこととした。
今後、こうした国立公園周辺の学校におけるインフラ整備をおこなうとともに、
チンパンジーを初めとした野生動物の魅力と大切さを次世代を担う子どもたちに伝える努力を、
現地の人々や行政と一丸になっておこなっていきたい。
活動報告(2008年3月15日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学助教)![]() | ![]() |
新しく赤ちゃんを産みました。 | お兄さんのミチオが毛づくろいしています。 |
マハレでは2006年の病気の流行で12頭のチンパンジーが犠牲になりましたが、うれしいことにその後、 5頭の赤ちゃんが誕生しました。皆でマスクの着用をして、これ以上病気をうつさない努力をしています。

近隣の村では人口が急増し、どんどん開墾が進んでいます。子どもも多いため、村の学校でも設備がまったく足りません。 十分な環境教育が、自然保護には欠かせません。今後こうした事業にも協力していくことを検討しています。
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活動報告(2007年3月12日)
中村美知夫(GRASP-Japan理事、京都大学助手)大変残念なことに、マハレでは呼吸器系の病気が流行し、最大12頭のチンパンジーが犠牲になりました。 人間から感染している可能性もあるので、観察距離を取ることの徹底と、 チンパンジーを見るすべての人がマスクを着用するように関連の人々に呼びかけています。