カフジ・ビエガ国立公園


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「カフジ・ビエガ国立公園における地元住民による類人猿保全活動と環境教育への援助」

カフジ・ビエガ国立公園では1993 年に地元住民によるNGO ポレポレ基金が設立されて以来、 われわれ日本人研究者とコンゴ人研究者の協力の下にゴリラやチンパンジーと人との共存を 目指した活動が続けられてきた。活動の主体は、住民自身の手によるゴリラとチンパンジーの 遊動と類人猿の食物となる果実のフェノロジーのモニタリング、および就学前の幼児から大人までを 対象とした環境教育学級の経営である。地元住民が類人猿の生態調査に参加することで類人猿への関心を高め、 それを地元の財産として管理する。そして、類人猿の動向や環境の変化を環境教育学級で毎月報告して、 他地域の類人猿や他の動物などと比較することによって地元の自然の価値を再認識することを目指している。 すでに、6つの環境教育学級が作られ、1600人を超える子どもたちや親たちが参加して活発に活動している。

本事業はこれらの活動を支援するため、類人猿調査や環境教育学級の人件費の補助、調査に必要な装備、環境教育の教材、図書などを購入する。


活動報告(2012年3月31日)

山極寿一(GRASP-Japan理事、京都大学教授)

昨年度GRASP-J の支援金を使い切ってしまったので、今年度は別途の寄付から事業のための費用を補てんして活動を継続してきた。 6人のトラッカーを雇用して3人ずつ2チームを編成し、それぞれカフジ・ビエガ国立公園でゴリラとチンパンジーの遊動、 名前のついている個体の確認、移出入、出産、死亡などの調査を行っている。今年は人付けしているゴリラのガニャムルメ集団に 1頭のメスが加入、1頭の赤ん坊が生まれ、赤ん坊の数は3頭になった。国立公園でモニターしている他の8集団のと合わせると、 今年度は136頭のゴリラ、うち29頭の赤ん坊を確認できた。本事業ではほかに3人を雇用して、ゴリラとチンパンジーの糞の内容物分析、 果実のフェノロジー調査を行っている。現在人付けをしているゴリラやチンパンジーの集団は遠くへ行ってしまうことがあり、 日々の遊動ルートを追跡するために公園内でキャンプすることがしばしばある。そのための装備やキャンプに必要な食料を購入して補給している。 環境教育学級の経営は順調に進んでおり、生徒たちの手による苗木センターも多くの苗木を育成して地域住民に配っている。 教材としての図書も少しずつ増えており、生徒たちの学習の機会が増している。今年度は堆肥作りを積極的に推進し、 各家庭で出る生ごみを集めて堆肥を作ることで、衛生的な環境作りと生産力の高い土壌の育成を両立させようと努力している。 今年の1月には日本のテレビ局が訪れて「危機にある世界遺産」の番組としてカフジのゴリラを取り上げた。 治安がよくなったので少しずつ観光客の数も増え始めており、3月には日本からゴリラを観察に訪れる人もあった。 今後とも世界の注目を集め、地道な保全活動と環境教育を推進していこうと思っている。




本事業で雇用してゴリラとチンパンジーのモニタリングに従事しているトラッカーとカフジ・ビエガ国立公園の監視員


学習意欲にあふれる中等環境学級の生徒たち


苗木センターで苗木の育成を学ぶ生徒たち


カフジのやんちゃな子どもゴリラ



活動報告(2011年4月26日)

山極寿一(GRASP-Japan理事、京都大学教授)

現地の対応研究者A.K. BASABOSE氏と、新しい装備を身に着けてモニタリングに出かけるスタッフ


環境学級に図書や文房具を寄贈


10月末にモンベル財団から寄贈されたテント5張、レインコート20着、デイパック20個、ヘッドランプ20個を現地へ郵送し、カフジ・ビエガ国立公園でゴリラとチンパンジーの遊動調査や果実のフェノロジー調査に用いてもらった。現在人付けをしているゴリラやチンパンジーの集団は遠くへ行ってしまうことがあり、日々の遊動ルートを追跡するために公園内でキャンプすることがしばしばある。これらの装備は大変有用であるとスタッフは喜んでいる。また、3月の末に山極が現地を訪問した際に、環境学級を訪れ、日本から送った絵本や筆記用具を贈呈し、図書や文房具の購入費用を届けた。現在、環境教育学級は地域で高い評判を呼び、多くの子どもたちが集うようになっている。このため、環境教育に携わる教員の数を増やし、その分人件費を多く支出した。生徒たちとも交流の機会をもったが、大変明るく素直な子供たちであった。多くの生徒たちが将来野生動物の保護や森林の管理事業に携わりたいと希望を述べた。




環境学級で元気いっぱいに学ぶ子供たち



カフジでは今、ゴリラのベビーブームを迎えている


活動報告(2009年12月19日)

山極寿一(GRASP-Japan理事、京都大学教授)
環境教育学級で学ぶ小学生たち
国際ゴリラ年を学習する幼児たち


2008 年から繰り越された1571US ドルの資金は、環境教育活動に用いる黒板や筆記用具、2008 年に 購入したプロジェクターによってビデオを上映するための発電機の燃料費に用いた。ビデオは日本のテ レビ局が撮影したフィルムや現地の担当者が国立公園内で撮影したフィルムが含まれており、今年は国 際ゴリラ年ということで各国からさまざまなイベントを撮影したビデオが寄せられた。現在、環境教育学級 は幼年部3 クラス、小学部6 クラス、中学部1 クラスで運営している。それぞれの学年に適した教材の開 発を試みており、絵本や写真などを用いた教育も試みられている。さらに図書の充実をはかりたいと思っ ている。



ビデオ上映会でゴリラの生態を学ぶ中学生たち
エコツーリズムで訪問客に人気が高いチマヌーカ集団



活動報告(2008年12月25日)

山極寿一(GRASP-Japan理事、京都大学教授)
建設中の環境教育学級
公園内をパトロールする公園スタッフと地元の調査員


2008年の活動 2007年に100万円の援助を受けてゴリラとチンパンジーの遊動と食性、果実のフェノロジーのモニタリング調査体制を確立し、今年度も引き続きその調査を継続してきた。調査に携わっている12人の調査員に8ヶ月分の給料を支払った。現地の人々が調査員として参加することでゴリラとチンパンジーの保護意識を高める効果があり、調査を通じて地元に類人猿への関心が高まっている。今回、中古のビデオ撮影機を寄付し、またプロジェクターを購入して、現地の調査員によってゴリラやチンパンジーの行動を撮影して見ることが可能になった。今年は日本のテレビ会社がカフジでゴリラの生態や現地の保護活動を撮影し放映しているので、そのフィルムを譲り受けている。現地でそういった映像を通して環境教育を開始した。今年は新たに環境教育のクラスを増やし、現在は地元に6つのクラスを開講しており、そこで就学前の幼児から高校生まで1,012人の子どもたちが学んでいる。この活動は近隣の村で評判になっており、すでに自然保護の仕事に将来従事したいという子どもたちが増えている。今回はここで働く17人のスタッフに4か月分の給料を支払った。今年は図書を購入する予定であったが、まだ実現していない。次年度に環境教育の教材を充実させ、映像や図書を用いて地元の自然や類人猿の保全について教育活動を展開したいと考えている。





内戦以後に生まれて育ったヒガシローランドゴリラの子ども



活動報告(2007年3月10日)

山極寿一(GRASP-Japan理事、京都大学教授)

この1年、私たちはコンゴ民主共和国中央科学研究所の研究者や地元のNGOポレポレ基金と協力して、ゴリラとチンパンジーのモニタリング、地元の子どもたちの環境教育を実施してきました。



地元の子どもたちの環境教育
ディスプレイするゴリラのコドモ
めずらしい双子のゴリラ
ポレポレ基金のスタッフ



2004年に生まれた双子のゴリラは珍しく2頭ともすくすくと育っています。村々に苗木を配って緑化運動を推進したり、地元の手によるエコ・ツーリズムの準備もはじめました。自然保護と両立できるようにするための住民の生活実態調査も順調に進んでいます。




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